弁護士ブログ
2026/04/14
離婚後の「共同親権」導入へ。法改正で何が変わるのか?
これまで日本の離婚制度は、父母のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」に限られてきました。しかし、2026年(令和8年)4月1日より改正民法が施行され、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できる新しい制度が本格的に動き出しています。
「改正されたのは知っているが、自分の場合はどうなるのか」という不安をお持ちの方も多いでしょう。長崎の皆様の法的トラブルに向き合ってきた当事務所(山本・坪井綜合法律事務所)が、現在の法律に基づいた確定事項のみを整理してお伝えします。
1. 離婚時の親権は「合意」または「裁判所の判断」で決まる
施行後の現在、離婚届を提出する際には、親権を「共同」にするか「単独」にするかを決める必要があります。
父母の協議で決める場合
話し合いによって双方が合意すれば、共同親権を選択できます。
協議が調わない場合
家庭裁判所が関与します。裁判所は、これまでの養育状況や「子の利益」を最優先に考慮し、共同親権とするか、あるいはどちらか一方の単独親権とするかを審判します。
2. 「単独親権」とすべき法的義務(DV・虐待への対応)
改正法では、どのようなケースでも共同親権が認められるわけではありません。お子様の安全を確保するため、裁判所が「必ず単独親権と定めなければならない」基準が法律上明記されています。
父母の一方が、お子様に対して虐待をする恐れがあるとき
父母の一方が、他方に対してDV(身体的・精神的な支配)を行う恐れがあるとき
その他、父母の間に協力関係が見込めず、共同親権によって「子の利益」が害されると判断されるとき
「相手からの干渉が怖くて、共同での決定など不可能だ」という事案では、従来通り単独親権が適用される仕組みが維持されています。
3. 共同親権下での「単独決定」が認められる範囲
共同親権になったからといって、あらゆる些細な決定に相手の同意が必要になるわけではありません。円滑な生活を送るため、以下の場合は一方の親が単独で決定を下せることが法律で定められています。
「急迫の事情」があるとき
緊急の手術や怪我の治療など、相手の同意を待つ猶予がない場合。
「日常の身の回りの世話」に関すること
日々の食事、習い事の選択、一般的な通院など。これらは実際に子どもと暮らしている親(監護親)が単独で判断できます。
4. 施行前に離婚された方への「遡及適用」について
今回の法改正は、2026年4月より前に離婚し、すでに単独親権となっている方々にも適用されます。
施行後の現在、家庭裁判所へ「親権者変更」の申し立てを行うことで、現在の単独親権から共同親権へ変更することが可能です。この場合も、変更が「子の利益」に適うかどうかが厳格に審査されます。
結びに代えて
新しい制度が始まった今、大切なのは「法律上どうなっているか」を正確に理解し、ご自身の家族にとって最善の形を選択することです。共同親権は一つの選択肢に過ぎず、大切なのは離婚後もお子様が笑顔で過ごせる環境をどう作るか、という点にあります。
私たち山本・坪井綜合法律事務所 長崎オフィスでは、改正法の運用実務に基づき、ご相談者様一人ひとりの状況に合わせた法的サポートを行っています。
「制度について詳しく知りたい」「今の状況でどちらを選択すべきか専門的な意見が欲しい」など、どのようなお悩みでも構いません。まずは初回無料相談をご利用ください。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所 長崎オフィス
弁護士 寺町 直人
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