弁護士ブログ
2025/05/27
弁護士会照会制度(23条照会)
弁護士は,依頼を受けて紛争解決にあたります。
しかし,事実を立証するための資料を必ずしも,依頼者が持っているとは限らないので,弁護士会を通じて,調査をするという制度が必要になってきます。
今回は,弁護士会照会制度(23条照会)について,ご説明したいと思います。
弁護士会照会制度(23条照会)は,弁護士会が,官公庁や企業などの団体に対して必要事項を調査・照会する制度で,弁護士法第23条の2に基づいています。
この制度は,弁護士が所属する弁護士会を通じて,質問事項や申請理由を記載した申出書を提出し,審査を経て照会先に送付される仕組みです。弁護士個人では行えない制度であり,紛争解決に必要な情報収集や権利回復のために活用されています。
弁護士会照会制度で得られる情報には,以下のようなことがあります。
・勤務先に対する現住所や給与金額の照会
・銀行や証券会社に対する預金残高や保有株式の照会
・電話会社に対する電話番号から氏名や住所,料金振替口座などの照会
・病院に対する医療記録の照会
弁護士会照会制度は,受任した事件のためだけに行われ,照会の必要性や相当性も審査されます。原則として回答する義務があるため,会社が弁護士会照会に対して安心して回答できる制度となっています。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所では,さまざまなトラブルについて,経験が豊富な弁護士が多数在籍しておりますので,お気軽にご相談ください。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィス
代表弁護士 寺町直人