法律相談コラム

2022/03/07

当番弁護士制度について

 弁護士が、刑事弁護として依頼を受けるのは、大きく分けて「身柄事件か、在宅事件か」、そして「私選か、当番・国選か」です。
 
 身柄事件では、私選弁護人又は当番派遣として弁護士の関与が開始され、要件を満たせば被疑者国選(起訴後は、被告人国選)として弁護人活動を行います。
 また、在宅事件では、起訴前の活動には「国選」という概念がありませんので、私選として活動を行います。

 それでは、当番弁護士制度について、お話しします。
   
1 当番弁護からの受任
 当番弁護は、各弁護士が所属している弁護士会が、身柄が拘束されている被疑者・被告人やその家族・知人から接見の依頼があった場合、当番の弁護士を1回だけ、無料で接見するよう派遣し、被疑者・被告人の相談に一早く応じる制度です。

2 当番弁護の待機
 弁護士会の当番弁護士名簿に登載された弁護士は、割り当てられた当番日において、派遣要請に応じて直ちに接見に出動することができるように、待機場所にて待機します。待機場所は通常は事務所ですが、休日は携帯電話や自宅の電話を指定した上で、待機します。

3 派遣要請の連絡
 弁護士会からの派遣要請は、電話及びファックスによって行われます。配点連絡票には、被疑者の氏名、フリガナ、性別、国籍、使用言語、生年月日、罪名、留置場所などが記載されています。
連絡を受けた弁護士は、原則としてその日のうちに接見することが求められます。
被疑事実の具体的内容や認否は、この時点では不明です。

4 警察署への事前確認・接見
 弁護士会から派遣要請を受け、留置されている警察署に接見(面会)に行きます。
 被疑者の取り扱い警察署と留置場所の警察署が異なる場合がありますので、注意が必要です。
 この時点では、まだ弁護人として選任されていないため、「弁護人となろうとする者」の立場で接見することになります。

5 私選弁護人としての選任
 当番弁護で接見した場合、被疑者から私選弁護人選任の申し込みがあれば、接見した当番弁護士が受任することができます。
 私選弁護人として受任しない場合は、勾留決定前であれば、法テラスの刑事被疑者弁護援助制度を利用できますが、勾留後は刑事被疑者弁護援助制度を利用できないため、被疑者国選弁護制度になるしかありません。

6 国選弁護人選任への移行
 当番弁護士自らが、被疑者の国選弁護人として、選任されることも可能です。

7 接見の報告
 接見終了後、弁護士会に対して、接見報告書を提出します。

8 当番弁護士としての終了
 当番弁護士として派遣されたが、被疑者から受任依頼がない、または受任申し出があっても受任しない場合は、当番弁護士としての活動は終了します。

弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所では、当番弁護士よりも早く面会に行けることを目指しております。
ご家族が逮捕された場合は、まずは当事務所長崎オフィスへお気軽にご連絡ください。

法律相談コラム

2022/03/07

刑法に関するQ&A 1

【刑罰の種類】
Q 刑罰の種類について教えてください。

A 犯罪を犯した場合に科せられる刑罰の種類については、刑法第9条に、「死刑、懲役、禁固、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。」と定められています。

 刑罰の種類の「死刑」、「懲役」、「禁固」、「罰金」、「拘留」、「科料」及び「没収」について、説明します。

1 死刑とは
 「死刑」とは、受刑者の生命を奪う刑で、死刑の言い渡しを受けた場合、死刑執行まで、刑事施設に収容され、絞首によって死刑執行されます。(刑法第11条)
 人の生命を奪う刑罰であるため、一定の重大な犯罪に対する刑罰として法定されており、刑法犯では、
    ・内乱罪(刑法第77条1項)
    ・外患誘致罪(刑法第81条)
    ・外患援助罪(刑法第82条)
    ・現住建造物等放火罪(刑法第108条)
    ・激発物破裂罪(刑法第117条)
    ・現住建造物等浸害罪(刑法第119条)
    ・列車転覆致死罪(刑法第126条)
    ・往来危険による汽車転覆等罪(刑法第127条)
    ・水道毒物混入致死罪(刑法第146条後段)
    ・殺人罪(刑法第199条)
    ・強盗致死罪(刑法第240条後段)
    ・強盗強制性交等致死罪(刑法第241条後段)

の12種類があります。また、特別刑法犯として、
    ・爆発物使用罪(爆発物取締罰則第1条)
    ・航空機強取等致死罪(航空機の強取等の処罰に関する法律第2条)
などが規定されています。

 尚、犯罪を犯したとき、18歳未満であった者に対しては、死刑を科すことはできません。(少年法第51条)

2 懲役とは
 「懲役」とは、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の一つで、刑事施設に拘置して、刑務作業に服させる刑罰です。(刑法第12条)

 懲役には、有期懲役と無期懲役があり、有期懲役は、1か月以上20年以下とされていますが、併合罪などで刑を加重する場合や、死刑や無期懲役を軽減する場合には、30年まで引き上げることができます。(刑法第14条)

3 禁固とは
 「禁固」とは、懲役と同様、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の一つで、刑事施設に拘置する刑罰ですが、刑務作業は課されません。(刑法第13条)

 禁固にも、懲役と同様に、無期と有期の場合があり、有期禁固は、1か月以上20年以下とされています。また、懲役と同様に、刑を加重する場合は、30年まで引き上げることができ、軽減する場合には1か月未満に引き下げることができます。
    
なお、禁固刑の受刑者も希望すれば、作業につくことができます。

実務上は、自動車運転過失致死傷罪など、過失犯に言い渡される場合が多いです。

4 罰金とは
 「罰金」とは、受刑者の一定の財産を奪う財産刑の一つで、1万円以上の金銭を国に納付させる刑罰です。(刑法第15条)

 罰金の上限額は、各犯罪の法律で定められており、例えば、窃盗罪では「50万円以下の罰金」となっています。罰金が支払えない場合は、1日以上2年以下の期間で、労役場に留置され、日当換算して、罰金相当を支払い終わるまで、労務につきます。
 裁判の確定から30日以内に罰金を納めない場合は、労役場に留置されることとなります。

5 拘留について
 「拘留」とは、懲役、禁固と同様、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の一つで、1日以上30日未満、刑事施設に拘置する刑罰です。(刑法第16条)
 懲役刑と異なり、労務作業につくことはありません。侮辱罪などの法定刑に規定されています。

6 科料とは
 「科料」とは、罰金と同様、受刑者の一定の財産を奪う財産刑の一つで、千円以上1万円未満の金銭を国に納付させる刑罰です。(刑法第17条)
 科料が支払えない場合は、1日以上30日以下の期間で、労役場に留置され、日当換算して、科料相当を支払い終わるまで、労務につきます。
 裁判の確定から10日以内に科料を納めない場合は、労役場に留置されることとなります。

7 没収とは
 「没収」とは、死刑、懲役、罰金、拘留、科料の主刑に付け加えて言い渡される刑罰で、犯罪行為に不可欠の物、犯罪に使われた物、犯罪行為によって作られた物、犯罪行為によって得た物、犯罪行為によって作られた物の対価として得た物などの所有権をはく奪し、国庫に帰属させる刑です。(刑法第19条)

 犯人以外の物であっても、その人が犯罪の後に、その犯罪の事情を知って得た物であれば、その物も没収の対象となります。
 没収を言い渡されたのに、対象物の全部又は一部を納められないときは、その価格を追徴されることとなります。
 例えば、覚せい剤や大麻などの薬物事犯における違法薬物、偽造文書や通貨偽造事犯における偽造された文書や偽造通貨などが、没収の対象となります。

刑事事件でお悩みの際はいつでも弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスへお電話ください。

法律相談コラム

2022/03/01

刑事事件に関する Q&A

【示談】

Q  息子が刑事事件を起こしてしまいました。被害者と示談したいのですが、どうしたらよいですか?

A 刑事事件の示談とは、加害者が被害者に対し、事件に関する被害金や慰謝料等を含めた損害賠償について話し合い、そこで決まった金銭を支払うことで、被害者が加害者を許したり、被害届を取り下げたりすることをいいます。通常、示談は刑事事件の処分が決定する前に行われます。

 示談の成立は、あくまで民事上の損害賠償に関する問題を解決するものであって、刑事事件が終結したものではありませんので、示談が成立していたとしても、刑事処分が科される可能性もあります。
 しかし、示談が成立していることで、警察は事件化をやめたり、逮捕をせず、任意捜査に切り替える可能性があります。
 また、逮捕された後であれば、検察は示談が成立していることで、直ちに釈放したり、不起訴としたりする可能性があります。
 さらに、仮に起訴され、刑事裁判になったとしても、示談が成立すれば、執行猶予の判決が得られる可能性が高まります。

 このように、被害者に対し、深く反省し、示談交渉により示談が成立しているかいないかで、刑事処分に大きな影響を与えることとなります。

◆ 示談の対象となる犯罪
 示談は、被害者に許しを得るものですので、示談の対象となる犯罪は、被害者が存在し、被害者自身が犯罪の性質上許すことができる犯罪に限られます。
具体的には、
・被害者の身体を傷つける犯罪・・・暴行、傷害など
・被害者の財産を奪う犯罪・・・窃盗、強盗、詐欺、横領、恐喝など
・性犯罪・・・強姦(強制性交)、強制わいせつ、盗撮行為等迷惑防止条例違反など
・被害者の財産を壊すような犯罪・・・器物損壊
などが示談の対象となります。

これに対して、

・文書偽造罪、公務員に対する犯罪(公務執行妨害罪等)、収賄罪、贈賄罪等のように国家や社会の利益を侵害するような犯罪 ・覚せい剤所持・使用、大麻の所持の薬物犯罪のような直接の被害者がいない犯罪
は、示談の対象となりません。
   
◆ 示談交渉のタイミング
 示談交渉のタイミングについては、早い段階で示談交渉を行っても特段問題が生じないような事案(万引きなど)では、出来るだけ早く示談交渉をすることが必要ですが、強姦(強制性交)等の性犯罪などの事案では、被害者の被害感情が強く、慎重な示談交渉を求められることから、時期を見計らいながら示談交渉を行う必要があります。

◆ 示談交渉について
 刑事事件において、加害者が被害者と示談をしようとする場合は、警察や検察から被害者の連絡先などの個人情報を教えてもらわなくてはなりません。
 基本的に、警察や検察は、加害者に被害者の個人情報を教えてくれることはありません。しかし、警察や検察から被害者の連絡先等を聞くことができるのは、弁護士のみです。
 ですので、示談交渉を考えている場合は、弁護士に依頼をする必要があります。
 弁護士は、警察や検察に被害者の連絡先等の情報を問い合わせ、被害者の承諾を得られれば、被害者の連絡先等の情報を教えてもらうことができます。
 被害者の示談交渉にあたっては、被害者の感情に十分配慮する必要があります。
 たとえ、被害者と知り合いで個人的に連絡が取れる場合でも、間に弁護士を入れて交渉した方が、示談の成立の可能性が高まりす。
 また、示談交渉において、示談金の問題もありますので、弁護士が間に入ることで、適切な示談金額で示談を行うことができます。

このように、刑事事件の示談をしたい場合は、早期に弁護士に依頼したうえで、適切な示談交渉を行ってもらうことが重要となります。
また、刑事事件を重点的に取り扱っている刑事事件に強い弁護士を選ぶことが重要です。

当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスは、刑事事件を専門とする法律事務所であり、今まで様々な刑事事件を取り扱ってきました。
示談交渉をお考えの方は、当長崎オフィスの弁護士にご相談ください。

法律相談コラム

2022/02/28

相続問題に関するQ&A 7

Q 母が亡くなり、遺品の整理をしていたら、自筆の遺言書が出てきました。この遺言書は家庭裁判所で確認してもらわないといけないと聞きました。その手続きの方法はどうすればいいですか?

A 遺言書を発見した場合は、亡くなられた方の意思を尊重するためにも、遺言の内容に沿った相続を執行することが重要です。
そのためにも、法律に沿った手続きをする必要があります。
自筆の遺言書を発見した場合は、開封することなく、家庭裁判所で確認してもらわなくてはなりません。これを、家庭裁判所の「検認」といいます。家庭裁判所への検認の手続きの流れについて、お話しします。
    
1 検認の申立ての流れ

➀ 検認の申立人の確定
遺言書を発見した相続人か、遺言書を預かっている方が申立てを行います。

➁ 検認の申立先の確認
検認の申し立ては、遺言者(亡くなられた方)が最後に住まれていた住居地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。

➂ 検認に必要な費用
検認に必要な費用は、収入印紙代800円と裁判所からの連絡用の郵便切手代等が必要となります。

➃ 検認に必要な書類
・申立書(家庭裁判所に設置)
・遺言者の戸籍謄本(出生から死亡時までのすべての戸籍)
・相続人全員の戸籍謄本
・遺言者の子及びその代襲者が死亡している場合は、その子及びその代襲者の戸籍謄本
・その他、家庭裁判所が必要と認める追加書類

➄ 家庭裁判所に検認の申立てを行います。
   
2 検認の流れ

➀ 家庭裁判所から検認を行う日の通知が届く
        ⇓
➁ 指定された期日に、家庭裁判所に出頭
  検認を受ける遺言書、印鑑、その他指定された物を持参
        ⇓
➂ 家庭裁判所の裁判官に持参した遺言書を提出
        ⇓
➃ 出席した相続人の立会いのもと、裁判官により遺言書の開封
        ⇓
➄ 裁判官により、遺言書の状態や筆跡、内容などを確認
        ⇓
➅ 「検認済証明書」の発行申請
          
検認の流れについてお話ししましたが、あくまでも一般的な流れについてご紹介しました。不審な点などありましたら、管轄する家庭裁判所にお問い合わせください。

相続に関する手続きは、財産ごとに書類を集めたり、所定の手続きを行ったりと手続きが煩雑なことから、専門の弁護士にご依頼することをお勧めします。

弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスは、相続に関する様々な相談をお受けしております。

まずは、当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスに、ご相談ください。

法律相談コラム

2022/02/28

相続問題に関するQ&A 6

Q 父が亡くなり、遺品の整理をしていたら、遺言書が出てきました。どうしたらよいのでしょうか?

A 遺言書は、亡くなられた方が遺される方に対する想いを書いた書面であることから、その想いを尊重し、その想いに沿った遺言書の内容を実現しなければなりません。そのためにも、法律に沿った手続きをする必要があります。
 
遺言書を発見した場合の取り扱いについて、お話しします。
  

1 遺言書を見つけた時は、絶対に開けないで、家庭裁判所に持っていく。

もし、遺言書を見つけた時、「どんなことが書かれているのか」との思いから、慌てて開封してしまうかもしれません。

遺言書は、「家庭裁判所において、相続人の立会いの下、開封しなければならない」と法律で定められています。もし、これに違反し開封した場合には、5万円以下の過料(罰金)に科せられることが、稀にあります。

遺言書は、すぐに家庭裁判所に持っていき、開封してもらいましょう。
このことを「検認」と言います。
検認が必要とされる理由は、亡くなられた方の意思の実現のために、
    ・遺言書自体が本物かどうか
    ・誰かの都合のいいように、勝手に書き換えられていないか
などを確かめるためです。  
 
2 遺言書を見つけたら、遺言書の種類を確認する。

遺言書には、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」、「公正証書遺言」の3種類があります。

◇「自筆証書遺言」・・・亡くなられた方ご自身で全文を書いた遺言書で、ご本人が保管されている場合がほとんどです。
 自筆証書遺言には、基本的なルールがあり、なかなかルールどおり作成されていない場合が多く、有効性を含めて、家庭裁判所の検認が必要です。また、検認後、遺言書に書かれた文面が正しい形式で書かれているかの、確認も必要となります。

◇「秘密証書遺言」・・・亡くなられた方ご自身が作成され遺言書を公証人が存在のみを証明し、原本を本人が保管する遺言書で、封筒の裏面に公証人の名前と捺印があれば、秘密証書遺言となります。秘密証書遺言書も、家庭裁判所の検認が必要となります。

◇「公正証書遺言」・・・亡くなられた方が公証人に依頼し、立会いの下で作成され、原本を公証人が保管し、正本を亡くなられた本人が保管する遺言書です。公正証書遺言は、公正人の指導の下作成されていることから、間違いもなく、そのまま執行できますので、家庭裁判所の検認は必要ありません。

 このように、遺言書を発見したならば、その種類により、家庭裁判所に検認の申立てを行いましょう。
      
3  相続人に対して、遺言書の存在を開示する。

相続人に対して、遺言書が存在することを開示し、その内容を確認する手続きを行わなくてはなりません。

4 家庭裁判所に検認の申立をする。

自署証書遺言のような検認の必要な遺言書であれば、家庭裁判所に対して、検認の申立てを行う必要があります。

また、複数の遺言書が見つかる場合がありますが、財産に関する内容で、重複している内容については日付の最も新しいのものが適用され、重複していない内容では日付の古いものも有効となります。検認には、全ての遺言書を提出しましょう。

5 遺言書の内容の確認をする。

家庭裁判所の遺言書の検認は、相続人に対して遺言書の存在や内容を知らせるとともに、遺言書の形状や日付、署名などの内容を明確にして、遺言書が偽造されたものや変造されたものでないことを確認する手続であり、その遺言書が有効か無効かの判断はされていません。

その遺言書の内容が実際に効力を持つものであるのか、不審な点があるのならば、専門家の弁護士へご相談し、別途遺言書に関する調停や裁判を行う必要があります。
    
6 相続の財産のすべてを把握する。

亡くなられた方の相続財産のすべてを把握します。
遺言書に書かれていない財産も存在する可能性がありますので、相続財産のすべてを把握することが重要です。

7 遺言書を執行する。

遺言書の確認が終われば、亡くなられた方の意思を尊重し手続きを行い、遺言に書かれた内容を実現させることが大切で、その行為を、遺言の執行と言います。
 
8 遺言の執行者を選任する。

遺言を執行するには、相続する財産の保管や引渡し、登記など様々な手続きが発生し、相続者が分担して行っても、その手続きは煩雑です。

そこで、「遺言の執行者」を選任することで、速やかに遺言の実現をすることができます。
 
遺言の執行者は、未成年者、成年後見人がついている方、破産した方を除いて、誰でもなることができます。特に、公正証書遺言の場合は、記載の中に遺言執行者が指定されていることが多くあります。
遺言の執行者が指定されていなかったり、指定があっても既にその方がなくなっている場合は、家庭裁判所に申立て、選任してもらいます。 
 
9 戸籍から正確な相続人を特定する。  

亡くなられた方の戸籍謄本を取得し、遺言に書かれている方以外にも相続の対象となる方がいないか確認し、正確に相続人を特定します。
  
10 他の相続人の遺留分を侵害していないか、確認する。

相続する財産の内容に大きく差があったり、相続する権利のある人の名前が記載されていないなど、遺言の内容が偏っている場合がありますが、そういった方のために、遺留分(最低限相続分)があります。
この割合を下回った遺言が作成されている場合は、一部の相続人を指名して、「遺留分滅殺請求」をすることで、その割合は保証されます。ただし、亡くなられた方の兄弟など第三順位に当たる方には、遺留分がありませんので注意が必要です。
  
11 相続財産を再度確認する。

相続財産について、再度確認します。
特に、自筆証書遺言の場合は、亡くなられた方の意思だけが記載されており、財産がすべて記載されていない場合がありますので、注意しましょう。

もし、遺言の内容で記載のない財産がある場合は、遺産分割協議で遺産の分割を決めていきます。

12 相続の手続き

相続財産をすべて把握したのち、遺言の内容を執行します。
  
13 すべての相続人へ報告する。

遺産の相続の手続きがすべて完了したら、すべての相続の対象者に報告します。

上記は、あくまでもよくある遺言発見時の手続きの一例をご紹介しました。
実際にはその都度手続きも異なるため、まずは弁護士へご相談しましょう。

亡くなられた方の遺言書が見つかった場合は、亡くなられた方の意思を尊重するためにも、遺言の内容に沿った相続を執行することが重要と思われます。
   
相続に関する手続きは、財産ごとに書類を集めたり、所定の手続きを行ったりと手続きが煩雑なことから、専門の弁護士にご依頼することをお勧めします。

弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスは、相続に関する様々な相談実績多数です。

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