弁護士ブログ

2022/10/24

弁護士と行政書士との違いについて

士業という言葉を聞かれたことがあると思いますが、士業とは、弁護士、司法書士、行政書士、中小企業診断士、公認会計士、税理士などがあげられ、「士」がつく職業を一般的に士業と言われています。
その中で、法律を扱う職業(資格)として、弁護士、司法書士、行政書士があります。
弁護士や司法書士、行政書士の違いが分からない方やどんな時に誰に相談したらよいのか迷っておられる方が多くおられると思います。
今回は、弁護士と行政書士の違いについて、ご説明します。

弁護士と行政書士とでは、法律で、取り扱いが認められている業務に違いがあります。
弁護士は、弁護士法で、法律相談、裁判、交渉、契約書作成などの法律事務所全般を取り扱うことができると定められており、どんな事件でも代理人となって交渉したり、裁判手続きを行うことができます。(弁護士法第3条)

一方、行政書士は、行政書士法で、他の法律において制限されているものを除き、官公署に提出する書類、遺産相続協議書などの権利義務に関する書類や議事録などの事実証明に関する書類の作成、及び官公署に提出する書類の提出の手続きの代理などを取り扱うことができるとされており、官公署に提出する書類等の作成を専門とし、代理人になって交渉したり、裁判手続きを行うことはできません。(行政書士法第1条の2、3)
ただし、裁判所によらない調停による紛争解決手続きの代行業務は、一部の行政書士に認められています。

それでは具体的な法律問題で確認してみましょう。
(〇・・依頼できる、△・・一部可能、×・・依頼できない)

〇 交通事故問題

一般的な示談交渉の流れ               

自賠責保険の請求及びその請求のための相談       
(弁護士:〇 行政書士:△)

任意保険会社との代理交渉及びその交渉のための相談   
(弁護士:〇 行政書士:×)

交渉がまとまった際の和解書や合意書を作成      
(弁護士:〇 行政書士:〇)

加害者に対する損害賠償請求訴訟の代理やその活動のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)
                                                                                                             
弁護士は、法律事務全般を取り扱うことができますので、交通事故などの加害者側との示談交渉や裁判手続きの代理をすることができます。
一方、行政書士は、支払請求兼支払指図書や事故発生状況報告書、交通費明細書等の簡単な自賠責保険請求の書類の作成やその作成のための相談を行うことができますが、依頼者の代理人として自賠責保険の請求や任意保険会社に対する損害賠償請求、加害者に対する損害賠償請求の交渉代理やそのための相談はできません。
勿論、裁判所への損害賠償請求訴訟における代理やその活動のための相談もできません。

〇 離婚問題

一般的な離婚事件の流れ

離婚協議書の作成及びそのための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

離婚に伴う養育費・財産分与・慰謝料等の支払いを求める書類の作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

夫婦関係調整(離婚・円満)調停申立書等や離婚請求訴訟の訴状等の作成その作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)

離婚問題における相手方との交渉代理及びその交渉のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)

夫婦関係調整(離婚・円満)調停や離婚請求訴訟における代理及びその代理の為の相談
(弁護士:〇 行政書士:×)                                              

弁護士は、法律事務全般を取り扱うことができますので、どんな離婚問題でも、相手側との離婚条件の交渉、家庭裁判所の調停や裁判手続きを代理することができます。
行政書士は、当事者間で既に離婚条件等の合意ができており、それを前提とした書面作成をする相談などに限定され、依頼者の代理人として相手方配偶者との交渉や相手方が依頼した代理人弁護士との交渉はできません。また、裁判関係の書類作成の相談や依頼もできません。

〇 債務整理問題
  
一般的な借金問題の流れ

債務整理に関する法律相談
(弁護士:〇 行政書士:×)   

利息制限法に基づく引直計算をして債権額を確定
(弁護士:〇 行政書士:×)   

債務者に受任通知・履歴開示請求等の文書を発送
(弁護士:〇 行政書士:×)   

過払い金回収及びそのための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)   

自己破産・個人再生申立て及びその申立ての相談
(弁護士:〇 行政書士:×)   

任意整理及びそのための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)   

債権者との示談交渉
(弁護士:〇 行政書士:×)   

弁護士は、法律事務全般を取り扱うことができますので、自己破産や個人再生、任意整理などの債務整理についての代理人となることやその申立の相談を行うことができます。
行政書士は、紛争性のある案件を取り扱うことができませんので、債務整理に関する自己破産や任意整理、過払い金回収やそのための相談を行うことはできません。

〇 遺言書作成

一般的な遺言書作成の流れ

遺言書作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

遺言書の原稿作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:〇)

遺言書には色々な方式があり、主なものは自筆証書遺言と公正証書遺言です。
自筆証書遺言は、遺言者が全て自筆で記載して作成し、公正証書遺言は公証人が作成します。
弁護士は、法律事務全般を取り扱うことができますので、遺言書の作成やその作成のための相談を行うことができます。 
行政書士は、遺言書作成のための相談に関して、依頼者の趣旨に沿って、どのような種類の書類を作成するか、書類にはどのような事項を記入するかといった事項についての書類作成やその作成のための相談はできますが、遺言書の内容をどのようにすればよいかについての法律的判断が含まれる相談は行うことができません。

 
〇 相続問題

一般的な相続問題の流れ 

遺産分割協議書の作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

遺産分割調停申立書の作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)

遺産分割・遺留分減殺請求における他の相続人との交渉代理及びその交渉のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)

遺留分割調停や審判・遺留分滅殺請求調停における代理及びその活動のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)
            
遺産範囲確認請求・遺言無効確認請求・遺留分滅殺請求等の訴訟における代理及びその活動のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)
                
相続問題に関して、弁護士は法律事務全般を取り扱うことができますので、遺産分割協議書、遺産分割調停申立書等の作成やその裁判所提出書類の作成のための相談を行うことが出来ます。
また、遺産分割や遺留分滅殺請求等の調停、審判等の相続者の代理人として、他の相続人と交渉を行うことや、その交渉のための相談を行うことができ、その権限についての制限もありません。
一方、行政書士は、遺産分割協議書の作成やその作成のための相談を行うことができますが、遺産分割調停申立書の作成や遺留分滅殺請求の調停や審判などにおける代理人として他の相続人との交渉やその活動の相談を行うことはできません。

〇 男女問題

一般的な男女問題の流れ

慰謝料等の支払いを求める書類の作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

示談書作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:△)

慰謝料等の支払いを求める調停申立書等・損害賠償請求訴訟における訴状等の作成及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)

慰謝料等の請求に関する相手方との交渉代理及びその作成のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)                           
            
慰謝料等の支払いを求める調停や損害賠償請求訴訟における代理及びその活動のための相談
(弁護士:〇 行政書士:×)
 
男女問題の慰謝料請求に関して、弁護士は法律事務全般を取り扱うことができますので、相手に対する慰謝料請求や損害賠償請求等の書類作成やその作成のための相談、代理人として相手との交渉等行うことができ、その権限についても制限はありません。

しかし、行政書士は、慰謝料請求等の書類の作成や示談書の作成等やその作成にあたっての相談は行うことができますが、当事者の代理人としての相手との交渉代理等はおこなうことはできませんし、その交渉のための相談も行うことはできません。

勿論、慰謝料等の支払いを求める調停や損害賠償請求訴訟などの当事者の代理人となったり、その活動のための相談も行うことはできません。
 
  
一般的に、弁護士の費用は行政書士の費用より高いというイメージがありますが、実際は弁護士と行政書士では業務の範囲が全く異なっていることから、比較ができません。
トラブルが発生し、行政書士に相談していても、相談できる範囲や行える業務が限られていることなどから、事案によっては、協議や交渉しないといけないことや調停や訴訟となることがたくさんあり、改めて弁護士に相談や依頼しなおさないといけなくなる場合が
あります。

どんなことを相談・依頼するのかをしっかり確認してください。
弁護士は、法律事務全般を取り扱うことができることから、安心してお任せいただけますので、弁護士へご相談、ご依頼されることをお勧めします。

当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは、経験豊富な弁護士が相談をお受けし、ご対応いたしますので、ご安心してご依頼できます。


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