法律相談コラム

2022/02/18

相続問題のQ&A 3

Q 母が亡くなったのですが、私は、近所に住んでいたこともあり、母の生前の介護や身の回りの世話を献身的にしてきました。他の兄弟は遠方に住んでおり、何も母に対して、介護や身の回りの世話をしていませんでした。他の兄弟よりも多くの相続を受けられないのでしょうか?

A 亡くなられた方(被相続人)の財産の維持・増加に特別の貢献をした相続人に認められている「寄与分」があります。

 「寄与分」とは、相続人や親族の中に、亡くなられた方(被相続人)の財産の維持又は増加について、特別の貢献をした人がいる場合、他の相続人との公平を図るために、その増加をさせた相続人等に対して、相続分以上の財産を取得させる制度です。
   寄与分を受ける資格がある者(寄与分権者)について、民法は、原則として「相続人」と規定しています(904条の2第1項)。

 寄与分が認められる条件として、「被相続人の相続人になった人が財産の維持や増加に貢献すること」で、特別の貢献があったかどうか、貢献の程度はどのくらいかにより、特別の寄与にあたるか評価されます。

 例えば、「親の食事の世話をしていた」とか、「病院の送り迎えをしていた」という内容では、「同居している親子であれば当然」とされ、特別の寄与と認められない可能性があります。

 また、逆に、「親の介護をしていて、通常はヘルパーを頼むところ、すべて自分でやっていた」とか、「今までやっていた仕事を辞めて、親がやっていた家業を無償で手伝っていた」などの場合は、特別の寄与として認められる可能性が高くなります。

さらに2019年、相続法の改正により、相続人ではない、親族が無償で被相続人を介護していたことなどが特別の寄与と評価されることとなり、相続人でない親族も、特別寄与料の請求ができることとなりました。

例えば、母親と息子夫婦が同居しており、母親の介護を献身的にしていたのは息子の妻であることから、相続人でない息子の妻に対し、特別寄与の請求を認める制度です。

特別寄与料が請求できるには、「特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月」及び「相続開始の時から1年」以内と期限があり、家庭裁判所に申し立てをしなくてはなりません。
   
 寄与分については、遺産分割協議の中で、相続人同士で話し合いを行い、解決していきます。

相続人同士の話し合いで決められない場合は、家庭裁判所の調停又は審判が必要になります。

寄与分の認定は、個別の事情ごとに大きく異なりますので、寄与分が問題になりそうな場合や相続人同士の話し合いがまとまらない場合などには、専門家の弁護士の助言を得ることをお勧めします。

当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは、相続に関するさまざまなご相談をお受けしており、ご相談者様にとって、最善の方法をご提案いたします。

当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスは、相談料無料で土曜・日曜・祝日や夜間のご相談も可能ですので、まずは当長崎オフィスにご連絡ください。

法律相談コラム

2022/02/18

相続問題のQ&A 2

Q 夫が亡くなり、住んでいる家を相続したいのですが、他に多くの借金がありました。相続はどうしたらよいのでしょうか?

A 相続は、亡くなられた方(被相続人)の財産を全部引き継ぐ制度です。
相続財産には、プラスの財産だけではなく、借金等マイナスの財産も含まれますので、プラスの財産だけを選択して相続することはできません。

このような場合は、
   ・家と一緒に借金を相続する
   ・家を売却して、借金を返済する
   ・相続放棄をして借金とともに家を手放す

と言ったように、借金を負うか、家を手放すかという究極の選択を迫られることとなります。

 相続の方法には、「単純承認」、「相続放棄」、「限定承認」という3つの方法があります。 

➀ 単純承認
  相続財産をそのまま相続する方法であり、最も一般的なものです。

➁ 相続放棄
  プラスとマイナスの相続財産にかかわらず、一切の相続を放棄する方法です。プラスの財産よりも、借金などのマイナスの財産が多く、相続をすると経済的メリットが無いような場合は、相続放棄をすることで、借金等の相続を拒否することができます。

相続放棄には、原則として、相続があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ申立てを行わなくてはなりません。
また、相続財産の一部でも使ってしまうと相続放棄ができなくことがありますので、注意が必要です。

➂ 限定承認
  プラスの財産とマイナスの財産がある場合、相続したプラスの財産の範囲でしか相続した借金を支払う必要がなくなる相続方法です。

  相続したい財産はあるが、借金もあるかもしれないし、どのくらいあるのかわからない場合などに選択される方法です。

 限定承認も相続放棄と同様に、相続があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ申立てを行わなくてはなりません。

 また、相続人全員で申立てをしなくてはなりません。
 
適切な対策を取るためにも、専門家の弁護士にご相談され、慎重に判断されることが必要です。

相続すべきなのか、相続をどうしたらよいか迷っておられる方、相続放棄を考えられている方は、当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスにご相談ください。

ご相談者様にとって、最善の対処方法をご提案いたします。

当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは、相続に関するさまざまなご相談を無料でお受けしており、また、土曜・日曜・祝日や夜間でのご相談も可能です。

まず、当長崎オフィスにご連絡ください。

法律相談コラム

2022/02/18

金銭トラブルに関するQ&A

コロナも収まる気配がなく、まだまだ寒い日が続きます。

本日は,以下のような,Q&Aを掲載します。

当事務所にも,日々,金銭トラブルに関わるご相談を数多く受けております。
疑問に思われがちな2点をまとめましたのでご覧ください。

Q 同僚にお金を貸したが,返ってこない。信用していたので借用書を作っていない。どのようにしたら返ってきますか。

A 結論,お金の貸し借り(金銭消費貸借契約)については,借りた人が返す旨の合意があれば借用書等の書類がなくとも有効に成立します。よって,返済期限が来れば,返済を求めることができます。返済を拒否する場合は,内容証明郵便等で支払いを求めたり,民事調停・民事裁判等の手続を行うこともできます。
 しかし,民事裁判などの裁判所手続を利用する場合は,この返済合意があったことを証明すること(金銭消費貸借契約が有効に成立していること)が必要です。
もっとも,借用書はその点,とても有力な証拠となります。お金の貸し借りについては,借用書を作成することをお勧めいたします。なお,借用書がない場合でも,お金の貸し借りの場に居合わせた人の証言でも契約の成立が証明できる可能性もあります。

Q 借金の返済を求める「最終通告書」が届きました。身に覚えのないことでとても不安です。

A 身に覚えがないことであれば,架空の詐欺的請求の可能性もあります。架空請求については対応する必要はありません。不用意に連絡してしまうと,個人情報を知られてしまう可能性もあり非常に危険です。
ただし,身に覚えがなくても過去に利用した金融機関の債権回収会社の可能もありますので,そういった場合は注意が必要です。

当事務所には,金銭トラブルに強い弁護士が数多く在籍しております。

金銭トラブルに悩んだらまずは弁護士法人山本坪井綜合法律事務所長崎オフィスへお気軽にご連絡下さい。

弁護士法人山本坪井綜合法律事務所長崎オフィス
代表弁護士 坪井智之

法律相談コラム

2022/02/16

少年事件に関するQ&A 2

Q試験観察とはどのような手続きですか?

試験観察処分は、少年の審判手続きが開かれ、裁判官の判断により、処分されます。

試験観察とは、少年に対する処分を直ちに決めることが困難な場合、当分の間、家庭裁判所調査官が助言や指導を与えながら少年の生活ぶりや行動を観察するものです。

その結果も踏まえて、最終処分を決めるための審判が開かれます。

つまり、試験観察処分となった場合には、数か月間日常の生活(例えば、学校生活)を送り、しっかり問題なく生活を送ることができれば少年院ではなく、保護観察処分にされるなど、社会の中で更生を図ることができるか最終チェックをするようなイメージです。

試験観察処分に付された場合、しっかりとした生活態度を行うことが非常に重要です。

弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスの代表弁護士坪井は、これまで何度も試験観察処分を経て、無事に保護観察処分で終結させてきた経験があります。

少年事件で悩んだらまずは山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスまでお電話ください。

一人で悩まず、新たな一歩を私たちと

法律相談コラム

2022/02/16

少年事件に関するQ&A 1

Q子供が観護措置になったと聞きました。観護措置ってなんですか?

少年事件では、家庭裁判所が事件を受理した際、少年を少年鑑別所に収容することがあります。これを観護措置と言います。

少年鑑別所では、少年の処分を適切に決めるために、医学、心理学等の専門知識に基づいた検査などを行います。

少年が、少年鑑別所に収容される期間は、通常4週間です。

少年事件は、少年審判までの時間があまりなく、早期に弁護活動に着手しなければ充実した弁護活動ができません。お子様が逮捕された方は、早い時点で弁護士にご相談ください。
 
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは、これまで多数の少年事件、刑事事件を解決してきた弁護士が在籍しておりますので、少年事件や刑事事件でお悩みの方はお気軽に長崎オフィスまでご連絡ください。

一人で悩まず、新たな一歩を私たちと

閉じる
初回の相談料無料
閉じる
リモート相談OK/電話相談・リモート相談対応可
閉じる
キッズスペース完備/お子様連れでのご相談も可能
閉じる
面会交流サポート制度
閉じる
資料ダウンロード

ページ上部に戻る

電話する アクセス ぺージトップ